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オススメ図書「友情」

2025年06月10日 23:25
こんにちは 瀧澤です。今回、ブログを書くにあたって、読んだ本の紹介をさせていただきます。
武者小路実篤の代表作である。
『友情』という本です。
物語の語り手は野島という青年。彼には大宮という親友がいます。
性格は対照的で、野島は理想主義でまっすぐ。大宮はちょっと飄々としていて、モテるタイプ。そんな二人の間に現れたのが杉子という女性。
実は野島、密かに杉子に惹かれていたんです。でも、大宮も杉子に恋をしていた。あなたは、親友に好きな人を譲ることができますか?私はできません。しかし今回の主人公は野島は大宮のために、自分の恋心を封じて応援に回るんです。それが「友情」だと信じているからです。この物語を読んで、一番に思ったのは
「本当にそこまで自分を犠牲にする必要があるのか」ということである。
野島の純粋さは確かに尊い。でも、読んでいて苦しくなる場面も多く、感情を押し殺して「友情」の名のもとに苦しむ彼に、時折、野島には自分の気持ちをもっと大事にして欲しいと思ってしまうところもありました。「友情」とは何か?を考えさせられる作品です。友情や恋愛における「正しさ」について悩んだことがある人や昔ながらの日本文学に触れたい人におすすめです。